部屋と日当たりと私

徒然なるままに。

私以外私じゃないの

引継ぎもほぼ終わって新しい職場への出社をカウントダウンするだけの身となった私は、現在いわゆる「社内ニート」状態になっている。
ただ最初のころはボーっと、一応周りに配慮をしながら、定時までエクセルの勉強をしたりネットサーフィンで時間をつぶしていたりしていたのだが、生産性がないな・・・と気づき、「副業でもするか」の結論に至った。

 

かくして私は会社のパソコンを使い、臨時的にキュレーション記事を書くライターになったのである。

 

クラウドサービスを利用すれば、キュレーション記事のライティング業務の募集がごろごろ転がっている。
平均して1記事の相場は300~350円であり、文字数は1200~1600文字ほどを要求される。
暇で仕方がないので手を出してみたが、世の中に出回っているあの手の記事が、実にテキトーに作られているのだということが入り口から実感することができた。
他のライバルサイトの似たような文を巧みに盗み、ネットに出回っている信憑性のない情報をかき集め、あとは「まあ多分こうでしょ」と専門家でもなんでもない自分の主観を織り交ぜて記事を作る。
全国公開された記事が載ったページの最下部には、注釈で「この記事を信じるも信じないもあなた次第だし、もし間違っていても私たちのせいじゃないんだからね!」という逃げ道を書き、嘘か本当か知れぬデタラメな情報を無責任にどこへともなく流布していくのだ。

 

ちょうど今日、提示された10のテーマのうち、やっと4つを書き終えた。
どのテーマも何番煎じかも分からないほどネットでよく見るようなテーマで、こんなに同じような記事がネット上に乱立したところで何になるのだろうといったものしかない。
特にジャニーズの誰がゲイ疑惑があるのかというテーマなんて本当にどうでもいいし、セクシャルマイノリティーは本人たちにとってけっこうセンシティブな問題である場合が多いのだから放っておけよもう・・・という気持ちになる。
芸能人というのは、あることないことばかり憶測で記事を書かれて苦労するよなあといらない心配まで沸く。

  

センテンススプリングで働くのって、すごく楽しそうだなあと思ったことがある。

世間がやれベッキーの不倫騒動だなんだの言って騒いでいる時期である。

文春側からのリークで世間がここまで大きく動き、ひとりのタレントのイメージも大きく変えた。

メディアは自分とは全く違う場所で生きている人間の人生や考え方を大きく捻じ曲げることが出来る。

その影響を与える側に立つのはさぞ面白いだろうなと思ったのだ。

 

でもよく考えたら私は前職がテレビ局勤めだった。

与える側、立ってた。

それに気付いた途端に、なんというか文春欲みたいなものが最初から存在しなかったんじゃないかくらいにキレイに無くなった。

あと人のスキャンダルばっかり追いかけるとか、タチ悪いと思う。

でも、今まさにそのスキャンダルについて根も葉もないことを書く仕事をしているのだから、もはや説得力なんて無い。

 

ジャニーズについてあとセックススキャンダルも書かなきゃいけないんですが、誰か書きたい人いませんか?